毎年、夏から秋にかけて発生するのが台風です。
この台風は日本に上陸するのも多く、大きな被害をもたらすことも珍しくありません。
「大型で並の勢力を持った台風〇〇号が沖縄に上陸する見込みです。」
といったニュースを聞くこともあるでしょう。
大型でも並なの?と変に突っ込みたくもなるのですが、この台風の大きさや強さはどうやって決まるのでしょうか。
今回は、台風について見ていきましょう。
台風の大きさや強さは何で決まる?
台風の大きさと強さは、その風の吹いている範囲とその風の強さ(最大風速)で表されるようになります。
1.台風の大きさ
台風による強風(秒速15m以上)が吹く範囲によって、「大型」と「超大型」の2段階で表されます。
風速15m/s以上の半径 | 大きさ | |
昔 | 現在 | |
200km未満 | 極小さい | – |
200~300km | 小型(小さい) | |
300~500km | 中型(並の大きさ) | |
500~800km | 大型(大きい) | 大型(大きい) |
800km以上 | 超大型(非常に大きい) | 超大型(非常に大きい) |
その昔は、「中型」や「小型」という表現も使われていましたが、現在では廃止されています。
2.台風の強さ
台風の強さは、最大風速によって、「強い」・「非常に強い」・「猛烈な」の3段階に分けられます。
最大風速 (m/s) | 最大風速 (ノット) | 強さ | |
昔 | 現在 | ||
17 ~ 25 | 34 ~ 48 | 弱い | – |
25 ~ 33 | 48 ~ 64 | 並の強さ | |
33 ~ 44 | 64 ~ 85 | 強い | 強い |
44 ~ 54 | 85 ~ 105 | 非常に強い | 非常に強い |
54以上 | 105以上 | 猛烈な | 猛烈な |
この強さについても、以前は「弱い」、「並の強さ」という表現も使われていましたが、現在では廃止されています。
従って、「大型で並の勢力」という表現はもう使われていないのです。
この大きさや強さは、なかなか分かり難いのですが、大きさについては地図で見るとイメージしやすいでしょう。
[気象庁ホームページより]
台風の大きさの基準になるのは気圧?
台風の大きさは、強風が吹いている範囲によって決まってきます。
しかしながら、よくニュースでは、「中心気圧〇〇ヘクトパスカル」という表現が使われますよね。
このヘクトパスカル(hPa)は、気圧を表す単位になります。
その昔は、ミリバール(mb)が使われていたのですが、国際的な単位であるヘクトパスカルに変更されました。
ただ、1hPa = 1mbなので、数値としては変わっていません。
台風は熱帯低気圧の発達したもので、中心気圧が低いほどその勢力は強くなっていきます。
地上での標準気圧は、1気圧 = 1013hPa です。
台風の中心気圧では、945hPaとかいう数値で言われるように、低気圧になります。
地上との気圧の差が大きいほど、風の流れが早くなり、強い風が流れるようになります。
従って、中心気圧が低いほど台風としては強いと考えていいのです。
このため、台風の強さを表す一つの指標にはなるのですが、大きさの基準とはなっていません。
相対的に大きいがどうかを判断するにはいいかもしれませんね。
あくまでも、台風の強さと大きさは、風の強さとその範囲で決められているのです。
まとめ
台風の大きさと強さは、その風の吹く範囲と風の強さによって決められています。
台風を表現する時に、その中心気圧を〇〇ヘクトパスカルと表すことがあります。
この気圧が低いほど、風が強くなるので、台風としては勢力が強いと判断しても間違いではありません。
気圧は、相対的な数値なので、以前の台風との比較という意味ではいいかもしれませんが、台風の大きさや強さを表すものとしては使われていません。
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