今では、ちょっとした外出でも車を使うことが多くなってきています。
ただ、東京や大阪などの大都市では、電車網が発達しているため車を持っていない人も多いことでしょう。
それでも、少し離れた郊外ともなると、車でないと移動しにくいといったこともあります。
さらにGWやお盆、正月などの長期休暇になれば、各高速道路が大渋滞になるほど車を使う人が増えてきます。
そんな高速道路を走行していると、いろいろと不思議に思うこともあるでしょう。
特にトンネル内には、これってどうしてなの、といったことが結構あるものです。
今回は、高速道路のトンネルにまつわるお話をしていきましょう。
高速道路のトンネルの照明の色は?
高速道路を走行していると、トンネルを通ることがよくあるものです。
特に、山間部を通っている高速道路では、次から次へとトンネルがやってくるという感じです。
あまりに多いと、またかよ、と思ってしまうこともありますよね。
この時に、トンネルの照明はなぜ黄色いのが多いのだろうかと疑問に思いませんか。
そして、その色は決まっているのだろうとかと。
車のライトも含めて、通常の照明は昼白色のことが多いのですが、トンネルだけは黄色というイメージがありますよね。
周りの色もよくわからないし、トンネルでも昼白色にすればいいのに、と思ってしまいませんか。
トンネルの照明が黄色いのは、きちんとした理由があります。
意味もなく黄色くしているわけではないのです。
トンネル内には当然ながらたくさん車が走ります。
その車から出される排気ガスがこもってしまった場合でも、より遠くが見えるように黄色い光を発する低圧ナトリウム灯が使われるようになったのです。
この黄色い光には、遠くに届きやすいという性質や人の目に感じやすいという性質があるからです。
ただ、色の判別がしにくいという欠点があり、周りの車の色がわかりづらいということがあります。
そのようなこともあって、最近では、蛍光灯を使うケースも増えてきています。
時々、やけに明るいトンネルに遭遇することもありますが、そのほとんどが蛍光灯を使用しています。
その蛍光灯では、低圧ナトリウム灯に比べ電気消費量が少なく、寿命の長いものが開発されてきているからです。
また、最近では排ガス規制もあり、当初に比べて排気ガスが少なくなり、トンネル内にこもるということも起きにくくなってきています。
このため、低圧ナトリウム灯の需要も徐々に少なくなってきているのです。
このため、今後は蛍光灯の普及が進んで行くことが予想されます。
ただ、それでも蛍光灯の特徴として、低温時の照度低下ということがあり、北海道などの寒冷地ではほとんど使われていないということもあります。
また、トンネルに入ると中に行くほど暗くなっていき、逆に出口に近づくと徐々に明るくなっていきます。
これにも、きちんとした理由があるんです。
人の目は、急に暗くなったり、明るくなったりするとしばらく何も見えないことがあります。
そのため、照明の明るさを徐々に変化させることで人の目に慣れさせるようにしているのです。
高速道路のトンネル内ではライト点灯は義務なの?
高速道路のトンネルに入ったら、車のライトを点灯するのはごく普通のことですよね。
しかしながら、中には全く点灯せずに走り続けている車もいます。
このため、その存在に気が付かず、あやうくぶつかりそうになってヒヤッとしたことがある人も多いことでしょう。
これについては、道路交通法で以下のように規定されています。
法第52条第1項後段の政令で定める場合は、トンネルの中、濃霧がかかっている場所その他の場所で、視界が高速自動車国道及び自動車専用道路においては200m、その他の道路においては50m以下であるような暗い場所を通行する場合及び当該場所に停車し、又は駐車している場合とする。
<道路交通法施行令第19条から引用>
これによると、トンネル内や濃霧の場所等では、視界が一般道では50m以下、高速道路では200m以下の場合に灯火する義務があるということです。
ということは、高速道路のトンネル内でも視界が200mを超えていればライトの点灯はしなくてもいいということになります。
これは、意外だったかもしれませんね。
トンネル内はライト点灯が常識だろう、とツッコミたくなるくらいです。
まあ、常識も時と場所で変わるものですから、仕方ないかもしれません。
「世界の常識、日本の非常識。日本の常識、世界の非常識」とも言われてますので。。。
また、高速道路のトンネルでライトを点灯しない車の運転者は道路交通法をそこまで理解しているのか、という新たな疑問が生じてきてしまいます。
ただ、この200mの視界をどう判断するのかは、実際問題としてかなり難しいですね。
このため、最近の明るくなったトンネルであっても、きちんと灯火して周りの車に存在を知らしめるということが事故を未然に防ぐ方法の一つであることには間違いないことでしょう。
アナタは、トンネル内ではきちんとライトを点灯して安全運転を心がけて下さいね。
高速道路のトンネルの扇風機は何のため?
高速道路のトンネルを走行していると、天井に大きな扇風機がいくつもついているのを見たことがあると思います。
この扇風機って、一体何のためにあるのだろう、と疑問に思ったことはありませんか。
まさか、暑い時期に扇風機で風を送って涼しくするため、などと考える人はいないですよね。
そんな風が車内に入って来るわけはないですし、車内のエアコンを使った方が遥かに涼しくなりますので。
それにあの巨大な扇風機は、365日24時間、年中無休状態で回り続けていますし。
冬など寒くて窓を開けることなどできませんよね。
あの巨大な扇風機は、実はトンネル内の換気のためなのです。
高速道路のトンネルには、必ず換気するための場所が設置されています。
トンネルの天井内に見ることができるものや建物内に設置されたものなどがあります。
トンネル内では、車の排気ガスによって二酸化炭素が増えていきます。
この濃度を自動的に感知して扇風機が動作するようになっています。
過去にトンネル内で渋滞が発生し、それによる一酸化炭素中毒で人が死亡した事故がありました。
そのようなことを防ぐために、現在では扇風機が設置されるようになりました。
まとめ
高速道路のトンネルの照明の色は黄色になっていることが多いです。
これは、排気ガス等が充満した場合でも遠くが良く見えるように低圧ナトリウム灯が使われているからです。
ただ、色の見え方が変わるため、周りの車の色がわかりにくいということがあります。
最近では、排ガス規制もあって、排気ガスが充満することも少なくなってきているため、蛍光灯が使われることも多くなっています。
蛍光灯は電気使用量が少なく長寿命なため、普及が進んできています。
それでも、低温での照度低下があるため、北海道などの寒冷地ではほとんど使われていません。
高速道路のトンネル内では、ライトの点灯が常識的なものです。
しかしながら、道路交通法では、視界が200mを超えていれば、ライトの点灯は義務付けられていません。
とは言え、200mの視界をどう判断するかという現実問題を考えた場合には、視界の良し悪しに関係なく、ライトを点灯するのが望まくなります。
ライトの点灯は、他車に自車の存在を知らせ、事故を未然に防ぐためにはとても大事になるからです。
高速道路のトンネル内には、天井に大きな扇風機が付いていることが多いです。
この扇風機は、トンネル内の空気を換気するためです。
トンネル内は、車の排気ガスが充満しやすいため、それを外部に排出する必要があります。
渋滞などになった場合に、一酸化炭素中毒になるのを防ぐ役割があります。
照明といい、扇風機といい、何気なく通っているトンネルにもこんな工夫がされているんですね。