いやいや、もの凄いプレーでしたね。
W杯グループリーグ敗退危機のアルゼンチンがメッシの超絶プレーで救われました。
2試合終わって、勝ち点1だけ。
グループリーグ最下位に沈んでいるアルゼンチンでした。
それが、メッシしかできないようなプレーによって見事に復活の狼煙を上げることができました。
壮絶なアルゼンチンのグループリーグ突破までの軌跡を見ていきましょう。
W杯はメッシにとって最後の関門
バロンドール受賞5回やリーガエスパニョーラ優勝、欧州チャンピオンズリーグ優勝など、数々の偉業を成し遂げているメッシですが、一つだけ不足しているものがあります。
それがW杯の優勝です。
同じアルゼンチン人であるマラドーナは、1986年W杯メキシコ大会でアルゼンチンを見事に優勝に導きました。
今でも語り継がれるのが、準々決勝のイングランド戦。
5人抜きのスーパーゴールや神の手ゴール(*)は今や伝説と化しています。
(*)映像で見れば明らかにハンドによるゴールで、後にマラドーナ本人もそれを認めています
この大会では決勝でドイツを破って優勝し、マラドーナは真のアルゼンチンの英雄になったのです。
しかしながら、メッシは前回のW杯ブラジル大会で惜しくも決勝でドイツに破れ、優勝を逃しています。
また、南米チャンピオンを決めるコパアメリカ杯でも2015年、2016年と2回連続して決勝でチリに破れています。
そんなことから、いつしかメッシは、「シルバーコレクター」とも呼ばれるようになってきました。
このため、メッシはアルゼンチンの真の英雄にはなり切れていないのが実情です。
バルセロナでは偉大な輝きを放っているメッシでも、アルゼンチン代表としては一つのタイトルも獲得していないのです。
W杯南米予選も突破できるかどうかの瀬戸際でした。
負けたら本戦出場できなくなる最終戦でメッシのハットトリックで3位に滑り込んでの突破です。
こんなアルゼンチンなので、今回は優勝候補とは言いにくい状態です。
それどころかグループリーグ敗退の危機にまで陥ってしまいます。
初戦 アルゼンチンvsアイスランド(1-1)
大方の予想では、アルゼンチンの楽勝ムードでした。
というのも、アイスランドは人口約30万人という小国です。
遼が住んでいる市の人口より少ないくらいです。
そのような小国がW杯に出場するというのも実に素晴らしいことなのですが。
前半19分、アグエロ(*)のゴールで先制し、楽に進める試合というムードでした。
(*)マラドーナの娘婿で、マンチェスター・シティ所属です
普通、アルゼンチンのような大国相手では、メンタル的に弱気になってしまうのも無理はないです。
しかも、先制を許した後ではなおさらです。
しかしながら、そんなことにへこたれず、なんと4分後に同点に追いつくのです。
なんというメンタルの強さでしょう。
EURO2016でのアイスランドの活躍が決してブラッフではない証拠ですね。
その後のアルゼンチンの攻勢もなかなかゴールに結びつけることができません。
それでも、後半20分にPKという絶好のチャンスを得ます。
キッカーはメッシ。
誰しもがアルゼンチンの得点を予想したことでしょう。
しかしながら、遼は嫌な予感がしてました。「外しそうだな」と。
残念ながら、その通りとなってしまい、最後までゴールを割れずに引き分け勝ち点1に終わってしまいました。
あのメッシでもPKを失敗することがあるんですね。
ただ、それまでの流れがアルゼンチンらしくないことばかり。
あれが決まっていれば、というタラレバになってしまいそうです。(笑)
第2戦 アルゼンチンvsクロアチア(0-3)
悪夢は、まだまだ続きます。
なんとクロアチアに0-3の完敗です。
クロアチアは、1998年フランス大会でも3位に入る活躍をした強豪です。
メッシと同じバルセロナでプレーするラキティッチや、レアル・マドリーでプレーするモドリッチ、ユベントスでプレーするマンジュキッチなど、多くのタレントがいるチームです。
前半でこそスコアレスだが、後半3失点と大失速。
特に悔やまれるのが1点目。
ディフェンダーのバックパスをキーパーがキックミス、相手の頭上に上がったボールをそのままボレーでゴールに叩き込まれてしまう。
思わず頭を抱えてしまうキーパー。
バックパスをしたディフェンダーも呆然と見送るだけ。
スーパーなゴールは、モドリッチのミドルシュート。
ゴール前でディフェンダーをかわして右足を振り抜くと、ボールは弧を描いて、ゴールマウスへと。
さすがは、クロアチアの10番。
所属クラブのレアル・マドリーでも中心的プレーヤーなのがよく分かるゴールです。
クロアチアは2連勝で早々とグループ突破を決めます。
一方、アルゼンチンは2002年日韓大会以来のグループリーグ敗退の危機に。
メッシのW杯制覇の夢も風前の灯火です。
やっぱり、アルゼンチンの英雄にはなれないのかな~。。。。
最終戦 アルゼンチンvsナイジェリア(2-1)
なぜか、この両国、W杯本大会ではよく激突するんです。
過去の対戦成績は、アルゼンチンの5勝1分2敗。
この内、W杯本大会では、アルゼンチンの4戦全勝で、かなり相性のいい相手なんですね。
とはいえ、過去の対戦成績なんてその時にはほとんど関係ないです。
常に勝つことを考えて試合するのがプロですから。。。
試合は、前半からアルゼンチンのペースで。
すると、14分、待望のメッシのゴールが生まれます。
後ろからのロングパスを走りながら左の太ももと左足の甲で絶妙にコントロールし、相手ディフェンダーの届かないところに置いて、普段はあまり使わない右足でシュート。
見事にゴール左ネットに突き刺さります。
スピードを全く落とさずにゴールまで結びつけるとは、実に素晴らしい、としか言いようがありません。
今大会でも屈指のファインゴールではないでしょうか。
今までのうっぷんを晴らすまさに起死回生のゴールです。
こんなプレーはメッシにしかできないでしょうね。
これこそ、まさに「ハンパない」です。(笑)
言葉で言っても理解しにくいので、映像をご覧ください。
また、時間的にもいいタイミングです。
前半で追加点が取れそうな予感がします。
そうなれば、余裕が生まれて本来のリズムも取り戻せるでしょう。
と思ったのですが、追加点が奪えません。。。。
それどころか、後半6分につまらないミスからコーナーキックを与えてしまい、その流れでPKまで与えてしまいました。
ナイジェリアに落ち着いて決められ同点です。
イグアインやアグエロを投入しますが、ゴールが遠いです。
引き分けでメッシの夢も消えてしまうかと思われた86分、コーナーキックからロホがボレーを叩き込んで勝ち越しに成功です。
土壇場で勝ち点3をゲット、グループリーグ2位で突破を決めました。
それにしても、最後のナイジェリアのVAR判定はちょっと可愛そう。
相手のハンドでPKとなってもいい場面でしたから。
ナイジェリアの選手がエキサイトして主審に詰め寄ってた気持ちがよ~くわかります。
それを体を入れて抑えていたミケルは大人になったな~。偉いよ、ほんとに。
実は、なんとこの時、ミケルの父親が誘拐されてたそうです。
犯人から身代金の要求があったそうですが、そのことはチームの誰にも言えなかったとのこと。
警察に言ったら即射殺、と脅されたとか。。。。
そんな状況にありながら、最後まで立派に戦ったミケルには畏敬の念を感じえません。
幸いにも父親は無事に助け出されてます。良かったね。
そんなこんなで、冷や冷やもののアルゼンチンのグループリーグ突破でした。
しか~し、決勝トーナメント1回戦は強豪フランスが相手です。
いきなりこの組み合わせは、ちょっともったいないですよね。
しかも、総合力ではフランスの方が上でしょうから、ここで本当にメッシの夢が消えてしまうかもしれません。
フランスも応援したいけど、アルゼンチンにも勝って欲しいし。。。
微妙な感じです。(笑)