暑さが続くと、身体がだれてしまい、いわゆる「夏バテ」になってしまうことも珍しくありません。
身体を動かすのも億劫で、何もする気にならない、なんてこともあるでしょう。
「あ~、だるい」といった感じですね。
そんな夏バテの対策にはどうしたらいいのでしょうか。
夏バテには、栄養のある食事が大事だとよく言われるのですが、本当にそうなのでしょうか。
そんなの常識でしょ、という声が聞こえてきそうなのですが、その常識がもしかしたら間違っていた、なんてことになるかもしれません。
今回は、夏バテ対策に本当に食事が大事なのかについて見ていきましょう。
夏バテ対策には本当に食事が大事なのか?
あなたは、毎日食事をしていますか。
えっ、そんなの当たり前でしょ、と思いますよね。
しかし、そんな当たり前のようなことが当たり前でない人もいるのです。
実は世の中には、ほとんど食事らしい食事をしていない人がいます。
その中でも有名なのが、森美智代さんです。
「食べること、やめました」―1日青汁1杯だけで元気に13年
この本を出版した2008年で13年ですから、現在では20年以上にもなるわけです。
いくらなんでも、ちょっと信じられないかもしれませんね。
彼女は、難病を克服するために、西式健康法で有名な甲田先生の指導の元で断食や生菜食を実践しています。
それらの経験を経て、最終的に1日1杯の青汁だけの生活に落ち着いたのです。
これは、かなり稀な例かもしれませんが、断食や1日1~2食の少食で健康体を取り戻したという人が数多く存在しています。
現代の1日3食の食生活は食べ過ぎとも言われています。
ドイツには、こんな諺があるそうです。
「1日3食のうち、2食は自分のため、1食は医者のため」と。
これは、1日3食しっかりと食べると、病気になりやすいということを表しています。
それが医者を始め、医薬品業界や医療業界を支えていることになるのは、なんとも奇妙なものです。
食事を少なめに、1日1~2食の食生活にすることで、逆に健康な身体になっていくと考えられています。
これは、空腹感が長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化させ、身体の働きを正常化するためです。
空腹になることで、身体が危機感を感じ、それに対する防衛体制を作り上げると考えるとわかりやすいでしょう。
昔から、「腹八分で医者いらず」とか「腹六分で老いを忘れる」とか言われています。
このようなことから、夏バテであっても無理して食事を摂る必要はないのです。
夏バテで食欲がなくなったら、その通りに過ごすといいでしょう。
脱水症状にならないように水分補給を忘れず、しばらく食事を控える方が却って元気になってくるのです。
最低でも1日2食にはするといでしょう。
夜の7時頃までに夕食を済ませて、翌日の朝食を抜くようにします。
こうして昼までの17~18時間程胃腸を休ませてあげると、結構の空腹感を味わえるのでお勧めです。
お腹が鳴るかもしれませんが、これはモチリンというホルモンが分泌されるサインです。
それによって、長寿遺伝子が活性化され、全身の細胞が若返るのです。
身体が若返るんだ、と思って空腹を楽しむといいですね。
夏バテ対策に睡眠はどれくらい必要なの?
人は睡眠をしないと生きていけません。
毎日、規則正しく睡眠を取ることが大事とよく言われます。
では、どれくらいの睡眠を取るのが健康にいいのでしょうか。
一般的には、7~8時間程度の睡眠が推奨されています。
しかしながら、これは1日3食をしっかり食べた人向けです。
食事をすると、その消化吸収に多くのエネルギーが使われます。
そのため、食後に眠くなることが多いのです。
特に昼食後には、必ずと言っていいほど、睡魔に襲われる人も多くいます。
この睡魔が起きないようにするのは、食事の回数や量を減らすのです。
それによって、睡眠時間も短くすることができるようになります。
3食の食事を摂って7時間の睡眠であれば、2食で5時間程の睡眠でも足りるようになります。
そういう意味で、少食は睡眠の時間を減らすことができ、さらに質の向上が期待できます。
さらに、夜10時から深夜2時までを睡眠のゴールデンタイムとされ、この間に成長ホルモンが多く分泌されるようになります。
従って、睡眠の質を高めるためにも、この時間帯は寝ているようにしたいものです。
夏バテの対策も同じで、食事の回数や量を抑えれば、その分短い睡眠でも足りるようになります。
睡眠は長くとればいいというものではありません。
短くても質が高くなればそれで充分なのです。
「過ぎたるは及ばずが如し」と言いますよね。
夏バテ対策にお風呂が効果的なのは?
夏バテ対策には、食事を控えることや質の良い睡眠が挙げられますが、もう一つ効果的なのがお風呂です。
夏などの暑い季節には、シャワーで簡単に済ませてしまうことも多いものです。
シャワーでも身体の汚れは落とせるものの、新陳代謝という意味では充分ではありません。
このため、お風呂に入って湯船にゆっくりと浸かるということが大事になります。
それも半身浴でしっかりと汗をかくというのがお勧めです。
そのくらいに温まれば、血液も末端まで流れやすくなり、新陳代謝も活発になってきます。
それによって、身体の機能も正常化され、元気を取り戻すことができるようになるのです。
家のお風呂では趣がイマイチという場合には、温泉などを利用するのもいいですね。
温泉成分や露天風呂での開放感などの相乗効果で気分もリフレッシュでき、夏バテ対策にはもってこいです。
疲れた身体には、温泉と覚えておくといいでしょう。
趣味と実益を兼ねて、月に1~2回程度は利用したいものです。
まとめ
夏バテ対策には食欲がなくてもしっかりとした食事を摂ることが大事とよく言われていますが、実はそうでもないということが分かってきました。
それは、世の中にはほとんど食事を摂らなくても健康的に生活している人がいるからです。
このような事実からも、食事を少なくした方が却って健康にはいいと考えられるようになってきています。
空腹になると長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)が活性化させ、身体の働きを正常化するためです
そのため、夏バテに関係なく、1日1~2食にすることで、元気を取り戻したり、いっそう元気になることが大いに期待できるのです。
食事の量を少なくすれば、睡眠時間も少なくて済むようになります。
それは、消化吸収に使われるエネルギーが少なくなるからです。
夏バテで疲れた身体は、シャワーでなくお風呂に浸かってリフレッシュすると効果的です。
しっかりと汗をかいて、全身の血液循環を活発にして身体の機能を回復させるのです。
温泉だとよりいっそうの効果が期待できるので、気分転換も兼ねて行ってみるのもいいですね。